近年のコンピュータの急激な普及により、インターネットに接続されるホスト数も急増している。
また、使用するアクセス回線もこれまでのアナログモデムによる低速な接続から、 高速な回線へと移行しつつあり、
インターネットバックボーンでは更なる高速化が要求されている。
さらに、インターネット上で利用されるアプリケーションは、急速な変化を遂げており、
E-mail、Web、FTP といった従来のアプリケーションから、動画や音声など、リアルタイム性が要求されるアプリケーション、
また、VPN ( Virtual Private Network )、電子商取引など、よりクリティカルなデータを取り扱うサービスが
インターネットに登場するなど、要求されるユーザ品質も多様化・高度化してきている。
一方、無線ネットワークにおいては、移動端末数の劇的な増加は現在も続いており、
音声通話だけでなく映像や音楽の配信サービスも本格化しつつある。
このような現状において、現在のネットワークインフラが十分に構築されているかといえば、 必ずしもそうではない。
電子商取引や音楽の電子販売など、アプリケーションはますます多様化し、より高い品質がネットワークに要求されつつある。
しかし、そのアプリケーションを支える技術は品質保証をまったく行わない TCP/IP であり、明らかに両者にはギャップが存在する。
TCP/IP のようなベストエフォート型のネットワークではアプリケーションで行う品質制御には限界があるだけでなく、 アプリケーションがネットワーク状況を把握すること自体、ネットワーク階層を無視した実装を余儀なくされ、 開発者は余分な労力を強いられることになる。 したがって、高度なアプリケーションが要求する品質を提供するためには、アプリケーションを含めたネットワーク全体のフレームワークで、 解決すべき課題を検討していく必要がある。
本研究室では、さまざまなアプリケーションが要求するサービス品質を提供するために、 将来のネットワークが必要とされる技術課題について取り組んでいる。